昔から愛されている、青魚に多い栄養素「DHA・EPA」は、中性脂肪を下げるとともに、心疾患リスクを下げる効果もあることが科学的にも認められており、生活習慣が気になる方の摂取が増えています。また、抗酸化作用もあるため、美容を心がけている女性 にとっても積極的に摂りたい栄養素の1つです。
そんなDHA・EPAは実は歴史も古く、1970年代よりその効果について研究発表がされており、現在では当初判明していた事よりも多くの効果があるという事も分かってきました。
DHA・EPAが一時の流行で終わる事なく、現在も人気で、摂取が推奨されているのは、その効果・実力が徐々に明らかになっているからではないでしょうか。では、定期的にDHA・EPAを摂取する事によって、どんな効果が期待できるのでしょうか?
このページでは、よく言われているDHA・EPAの効果から、実は意外と知られていないことまで、DHA・EPAを継続して摂取するメリットを紹介していきます。
この記事のもくじ
そもそもDHA・EPAとは?
まずは、そんなDHA・EPAの効果を紹介する前に、知っておきたいこと。それがDHA・EPAとはそもそも何なのか?ということです。これを知らないと間違った理解につながってしまうため、まずはDHA・EPAについて正しく知っておきましょう。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とは?
DHAはドコサヘキサエン酸と呼ばれており、特に血中の脂質のバランスを整えるために有用な栄養素です。具体的には、
- 悪玉(LDL)コレステロールを減らし善玉(HDL)コレステロールを増やす働き
- 中性脂肪の体内での合成を抑制する働き
の2つのはたらきがあります。このDHAは青魚に多いと言われていますが、EPAを配合した青魚すべてにDHAが配合されていると言われており、DHA単体での臨床試験が難しく複雑なため、まだまだ「DHA単体」での効果・効能についてははっきりとしていないのが現状です。
EPA(エイコサペンタエン酸)とは
EPAはエイコサペンタエン酸と呼ばれており、特に血栓予防や血管の収縮を抑える役割があると言われています。具体的には、
- 血小板の凝集を抑える
- 血栓を溶解する
- 血管を拡張する
- 動脈硬化や心筋梗塞のリスクを下げる
- 高脂血症を予防する
といった働きがあります。EPAは全身の健康状態を良くする働きがあるとともに、DHAに比べて薬理作用も明確になっています。そのため、医療用の医薬品としては「エパデール」「ロトリガ」のようなものがあり、高純度EPA錠剤として医療の現場でも用いられている栄養素です。
日本では「EPA」が良く使われていますが、世界的にはEPAではなくIPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれており、日本でもIPA(イコサペンタエン酸)の名称を用いることが多くなってきています。
DHA・EPA錠剤の薬理作用
また、例えば「ロトリガ」や「エパデール」などのDHA・EPAの薬においては、下記の薬理作用が記載されています。
- 中性脂肪の減少
- 抗炎症作用
- 血小板凝縮抑制作用
- 抗不整脈作用
- 認知機能低下抑制作用
ただし「DHA・EPAサプリメント」は、DHA・EPA錠剤に比べて配合量も半分ほどですので同じように効果があるわけではありません。それでも、DHA・EPAに上記の効果がある程度認められていることは知っておきましょう。
DHA・EPAの効果・効能とは?
では、ここからはさらに具体的に「DHA・EPAの効果」を解説していきます。また、それらの項目に対する「信頼性」も併せて紹介していきますので、DHA・EPAについてより正しく知っていきましょう。
- 中性脂肪に効果のあるDHA・EPA
- EPAは悪玉コレステロールを減らす
- 血液をサラサラにして血栓予防
- アレルギー体質の改善
- うつなどの精神状態の改善
- 目にも効果!ドライアイ・眼精疲労の改善
- 女性の肌にも効果がある!美肌効果のあるDHA・EPA
- 運動能力の改善!プロアスリートも使用
- 脳細胞を活性化する
中性脂肪に効果のあるDHA・EPA
DHA・EPAは中性脂肪値を著しく低下させます。特にEPAは腸管からの中性脂肪吸収の抑制、中性脂肪の合成の抑制、中性脂肪の代謝を促進といった働きがあり効果があることが分かっています。
また、DHA・EPAには脂肪燃焼酵素を活性化させ、燃焼効率を高める事が期待できるため、皮下脂肪・内臓脂肪も減らす効果が期待できます。
このDHA・EPAの「中性脂肪を下げる働き」については、消費者庁の「食品の機能性評価モデル事業」において、
- 総合評価:A評価
- 研究のタイプ・質・数:A評価
- 一貫性:A評価
となっており、すべての項目においてA評価を獲得しています。
【報告の概要】
【総合・研究・一貫性においてA評価】
このことから、「中性脂肪値を下げたい」「改善したい」と感じている方は、DHA・EPAを摂取する価値が十分にあることが分かります。
EPAは悪玉コレステロールを減らす
ある研究では、1日4,000mg以下のDHA EPAを一定期間投与したところ、中性脂肪が25〜30%、悪玉コレステロールが5〜10%ほど減少したという結果が出ました。
DHA・EPAはどちらも同じような働きをすることが分かっていますが、特に「EPA」は悪玉(LDL)コレステロールを下げることが分かっていますので、コレステロール値が気になる方でサプリメントを使う場合には、「EPA」の配合量を気にしながら選ぶと良いでしょう。
血液をサラサラにして血栓予防
DHA・EPAにはドロドロの血液をサラサラにしてくれる作用が高く、血中の脂質バランスを整えてくれる効果があります。
また、血液を固まりにくくする作用があり、血栓が出来にくくなる効果もあるため、高血圧や動脈硬化、そして脳梗塞、心筋梗塞といった重篤な病気の予防につながります。
このことは、先ほど紹介した消費者庁の「食品の機能性評価モデル事業」においても、「心疾患リスクの低減」に対してすべてA評価と判断されています。
このことから、「血液状態が悪いと分かっている」「動脈硬化の対策をしたい」という方にとってもDHA・EPAは摂取すべき栄養素の1つだと分かります。
アレルギー体質・炎症の改善
アレルギー性疾患はここ20年ほどで急増した病気の代表です。現在では日本人の2人に1人は何かしらのアレルギーを持っている、と厚生労働省からも発表されています。
そしてDHA・EPAには、そんな「アレルギー」の抑制・緩和効果もある事が分かっています。これは、アレルギー反応を促す酵素の阻害、炎症の原因となる物質の抑制する効果があるためです。
この「炎症を抑える働き」は、関節リウマチなどの炎症に対しても効果があり、こちらも消費者庁によってA評価とされています。また、関節痛が気になる方には「グルコサミン」というのが日本では一般的ですが、現在海外では、「関節痛にもDHA・EPA」というのが一般的になっています。
うつなどの精神状態の改善
DHAは神経伝達物質「セロトニン」を円滑に働かせ、活性化させるため、敵意や攻撃性、そしてうつなどの精神状態を改善させる働きがある事が分かってきました。
そのため、イライラしやすい人やストレスを抱えている人がDHA・EPAを飲むと、「なんだかすっきりする」「心が安定する」といった効果を感じることもあります。
ただし、この「うつ症状の緩和」については、研究に一貫性がなく、誰にでも効果のあるものではないということは知っておかなければいけません。
目にも効果!ドライアイ・眼精疲労の改善する
「目を良くしたいならルテインやビタミンA」この事は皆さんご存知かと思いますが、DHAにも目の機能をよくする効果があります。
特に最近の研究では、DHA・EPAが網膜と視神経に作用して目の機能をよくする働きがある事が報告されていますし、DHAは目の脂肪の4割~6割を占める必須脂肪酸であることも分かってきています。さらに、DHA・EPAは目の網膜にある「錐体細胞」や「桿体(かんたい)細胞」を守っていることも分かっています。
つまり、DHA・EPAは目にとっても「必要」な栄養素なのです。
また、DHA・EPAが眼精疲労やドライアイに効果があるのは、DHA・EPAに「血流をよくする作用」があるからだと言われています。特にドライアイの発症率が60%ほど減ることが臨床試験で確認されていますので、目の健康が気になる方は、ぜひDHA・EPAを摂取してみましょう。
女性の肌にも効果がある!美肌効果のあるDHA・EPA
実はDHA・EPAは体の中から綺麗にしてくれる栄養素でもあります。
先ほど血液をサラサラにする効果がある事は記載しましたが、サラサラとなった血液によって、お肌のターンオーバーや老廃物の排出がスムーズになるからです。そのため、むくみやくすみ、吹き出物の解消にも繋がり、美肌効果が期待出来るのです。
運動能力の改善!プロアスリートも使用
そして、れまで、オリンピック選手などのスポーツ選手もDHA・EPAを活用してきたことが分かっており、美肌だけではなくスポーツにも効果があります。
また、日本でも研究の結果、DHA・EPAの摂取により持久力が上がることが実証されました。これは、DHA・EPAにより赤血球が増え酸素を運搬する力が高まるためです。
これが、「階段の上り下りが辛くなってきた」「疲れやすくなってきた」という方だけでなく、運動機能を改善させハイパフォーマンスを発揮したいという方にも愛されている理由です。
脳細胞を活性化するDHA
認知症予防にもDHAが効果があるのではないかと期待されています。それは、DHAには脳を活性化させ、脳細胞の働きを助ける栄養素を増やす効果がある事が分かったからです。
脳が活性化されるため、記憶力、判断力ももちろん向上します。大事なテスト、プレゼン前など積極的に摂取したい栄養素です。また、特に育ちざかりの子供さんには「DHA」が必要だと分かっていますので、小学生や中学生の子供には、EPAよりDHAをしっかり摂取させていきましょう。
DHA・EPAの効果を感じるための推奨摂取量
このように様々な効果の期待できるDHA・EPAですが、体内で作る事の出来ない栄養素でもあります。つまり食事で補っていかなくてはいけないのですが、では、1日あたりどの程度摂取すれば良いのでしょうか?
日本では厚生労働省より「1日あたり1000mg摂取するのが望ましい」という目安量を設定しています。これは魚で換算すると1日あたり約90g程度、刺身で2~5切程度となります。※脂がのっている方が含有量が多くなるため、魚の種類によって変わります。
あれ?そんなに難しくない、普段からそれ位食べているんじゃないか、と思った方も多いかと思います。ですが「国民健康栄養調査」(平成26年度版)にて、国民1人あたりの平均的な魚介類の摂取量は、なんと「約70g」と目安量を大幅に下回っていました。
魚の摂取量低下により、結果として「生活習慣病」という新しい病気が生まれ、脳・心疾患が日本人の死亡原因のトップ3内に入るようになったのではないでしょうか。
普段魚食の少ない人や、授乳期の女性などは特に意識して食事やサプリメントなどで効率的に摂取していくように心がけましょう。また、サプリからは500㎎摂取すると、1日の摂取目安1000㎎に届きやすくなります。ですので、DHA・EPAを併せて500㎎以上摂取できるものを選ぶようにしましょう。
また、特にオススメなのは、DHA・EPAの唯一の特定保健用食品である「イマークS」です。イマークSについてはトップページで詳しく解説していますので、そちらも併せてご覧ください。
さいごに
今回は、DHA・EPAの9つの効果を紹介してきましたが、いかがでしたか?「まるで魔法のような栄養素だ」と思われたかもしれませんね。
しかし、大事なことは、万能のように思えるDHA・EPAだけに頼るのではなく、「バランスの良い食事」「適度な運動」を土台として大切にするという事です。それらが重なり合って、充実した毎日がつくられるのではないでしょうか?
コメントを残す